PTSDとベトナム帰還兵
PTSDに関する研究が注目されだしたのはベトナム帰還兵の適応問題であった。帰国後心理的障害を呈して社会復帰が困難になるケースが見られ診断基準や治療法が検討され今日に至っている。なぜベトナム戦争後にPTSDが増加したかについて、命を懸けて母国のために戦ったのに「大儀なき戦い」をしいられ、厳しい反戦運動に直面し、温かく向かい入れられるどころか批判の対象にさせられてしまったのではないかという見方もある。それではその前の戦争でPTSDが注目されなかった理由として次のような見方がある。戦った兵士たちは戦友たちとともに話し合いながら船で何日もかけて帰国していた。その間の温かい交流があり、この日数が帰国への準備期間を形成していた。さらに帰国時には国の英雄として賞賛のもとに向かい入れられた。またベトナム帰還兵からジェット輸送機が発達し、兵士は一人でも数時間で母国に戻る状態が生まれ、仲間と体験する暇もなく。突然的に孤立的に適応をシナケレバならなくなった。という見方がある。どれが正しいのか筆者には同定できないが、非常に大事なことは今回の「新型コロナウイルス感染症」は、人と人の接触を遮ることである。人々を孤立に追いやるリスクが重大である。オンラインでも電話でもいい。可能な限り「ソーシャルデスタンス」をとって心の触れ合いを続けよう。