2010年7月26日

「パワハラ自殺」労災認定とメンタルヘルス
2007/10/16、朝日新聞 朝刊,39ページ参照,

 平成7年の電通事件を契機に「うつ病」の労災認定がなされてきました。昨年度までの労災認定件数は最悪の増加件数となっています。これも過重労働から人間関係事案に労災が移行してくることは専門家であれば予測していたことですが、やはり人間関係トラブルのパワーハラスメント関連のケースが増加している。例えば、その代表的事件がある。
上司から「給料泥棒」「目障り、消えてくれ」「ガソリン代がもったいない」などと暴言をあびせられた医薬品販売会社「日研化学」(現興和創薬)の男性社員(当時35)が、03年3月に自殺した。男性の妻が、静岡県労働基準監督署へ労災に対する給付金不支給の処分を取り消すように求めた。暴言(パワーハラスメント)が自殺の引き金になったかどうかが争われた訴訟。東京地裁の渡辺弘裁判長は、「心理的負荷は、人生でまれに経験する程度に強度だった」と指摘し、会社での死を労災と認める判断をした。
 判決などによると、男性は病院への営業などを担当していた。02年4月に営業成績改善を図るため赴任した係長が、同年秋ごろから男性に暴言をあびせたり、相談に応じなかったりする等のパワーハラスメントを繰り返したとのこと。渡辺裁判長は、係長が暴言とみなされる発言をしたと認定し、「言葉の内容自体が過度に厳しい」などと指摘した。男性が係長からの暴言を受け、うつ病を発症した事で、正常な認識や判断能力の低下が生じ、自殺に及ぶ結果となったと認めて、不支給処分を取り消した。
このようなケースは今後とも増加していくものと考えられます。