2010年12月4日

THQストレス診断の目的は、産業メンタルヘルスの
① 基本的目的であるT.M.リングのいう「個人のストレスを最少にし、共同の成果を最大」にすることです。日本ではメンタルイルネス対策は良く行われていますが、いわゆるメンタルヘルス対策は少し薄くなっています。
② 現代に増加している軽度のうつ状態などは、生活習慣とのかかわりが、広く指摘されています。基本にある生活習慣のコントロールがメンタルヘルスやストレスコントロールに不可欠といえます。
③ また、ストレス・サイエンスの観点からは、日本の有数企業の最先端研究所、コンサルティングファームなどのストレス調査では、高いストレス状態が検出されますが、それがただちにメンタル不全者数と相関しません。つまり、ストレスが高くても、ハンス・セリエ博士のいう良いストレスの場合は、メンタル不全に結びつくとはいえないのです。
「良いストレス」「悪いストレス」を判別にアドバイスできるテストが必要と思われます。
④ なぜ病気の診断ではないのか。
THQストレス診断の開発の発端は、某有名企業の人事取締役の相談でした。何億円もの費用をかけて「心の健康診断」をやった。若い社員が一人アパートで亡くなり、まくら元にそのテストがおいてあって、「うつ病だから病院に行くように」と書いてあった。ご遺族様は、こんなテストで「うつ病」がわかるのに、なんで、上司は気づかずに放置したのか訴えることになりました。何億円もの費用をかけ、メンタルヘルス対策をしていたのに、その結果訴訟になってしまうとは。本当に企業と社員両方の役に立つテストを開発してほしいという依頼から出発しました。
「うつ病」の診断テストは非常にむずかしく、健康層まで判別してしまう確率が高く、まして、現代問題になっている新型うつ病や、発達障害による問題は、スクリーニングがむずかしくなってきます。THQストレス診断テストは、疾病の判別も精度の高いSDSとの相関のある尺度を入れております。この尺度とY-G、GHQ、CMI、クレペリン等々の症状診断テストとの高い相関をきちんと測定し、信頼性、妥当性の検討もしています。
⑤ 厚生労働省の「職業性ストレス診断」との関連について。
THQストレス診断は、「職業性ストレス診断」の開発よりも早く、職業性ストレス診断テストで検出できる指標と同じ項目を検出しています。ストレス診断テストのP5~6は、職業性ストレス診断テストと同じ内容になっています。
つまり、THQストレス診断テストの実施は「職業性ストレス診断」の実施でもあるのです。

2、メンタルヘルス良好度
これは、SDS同様に「うつ病自己尺度」を精神健康度のスクリーニングテストとしてもちいています。100点満点として尺度化しています。

3、職務満足良好度
これらは、カラセックやハーツ・バーグの職務満足理論に基づいて作成されています。何度も因子分析を重ねて項目をしぼりこんでいます。
職務満足度とメンタルヘルスは非常に強い相関があります。
メンタルヘルス対策としては、アメリカのNISOHモデルの緩衝要因をHRMやOBHで対策する事が必要になります。従って、どの影響因子を労務対策として強化すればいいかということがなければ有効な対策とはなりません。
ご質問にあるように、「むしろその仕事にやりがいを感じているかどうか担当している業務内容が気に入っているか入らないかではなくて、活き活きと働ける状況下どうかを判定するものと考えていいのでしょうか」…そのとおりです。
具体的に、部下のメンタルヘルスを下げてしまう要因として、上司の「こんな職場で働いていてもしょうがない」「仕事は適当にやっておけばいい」「見ているところだけで働いているふりをして、後は適当にうまくたちまわれ」といったネガティブな感情は、部下に伝播(伝染)し、さらなる職場の心の健康度やネガティブ感情を増丈させ、モチベーションの低下をまねいてしまいます。このようなリーダーシップの低下があれば、改善していくことによって、つまり、「自分の仕事に誇りを持つ」「価値を見いだす」ことをリーダーが示すことによって、それが職場に伝染し、ポジティブ感情を増大させ、職務満足度の向上に結びつけていく…ということです。

4、測定結果のフィードバックについて
勤労部、健康管理部門とのお話し合いにより、データのフィードバックを行います。
現在ではすべてのデータをフィードバックしています。
その理由は、「うつ病」のスクリーニングは非常に精度が高く出来ますが、職務満足度が高い場合はリスクが少ないので、そのことも明らかにしてフィードバックしています。
考え方としては、同じ「ストレス得点」でも、たまたまストレッサーの少ない良好な職場にいて何もしなくても「良い状態」で「良い結果」が出た場合と、ストレッサーの多い職場(仕事の量や質など)においてコーピングをしっかりやって「良い結果」が出ている場合ででは異なります。また、ストレス耐性への個人差があります。データマイニングにより、ストレス潜在予測変数をつけてフィードバックしております。
つまり、病気の診断ではなくて、病気にならないようにするための変数をフィードバックしているのです。

5、セルフケア研修対象者について
セルフケアの基本はコーピングです。
いくら良いコーピングでも、例えば「運動処方」も、すでに充分運動している人や逆に「疲労し、休むことが必要な人」には効果がありません。「うつ病」の人にエクササイズを推奨して悪化させたケースも多数です。
ハンス・セリエのカナダストレス研究所では、個別的処方となっています。健康状態の良い人の層にはセルフケアは必要ではありません。イギリスでは軽度のうつ病層には抗うつ剤ではなくて、生活習慣の改善やカウンセリングを提供しています。
多くの企業で、若年層へのコーピング研修をしています。その前提として、THQストレス診断による個別処方を参考にしてもらっています。

6、従業員へのPRについて
日本で行われているストレス診断は、精神病の判別診断をするMMPIをベースにした症状診断テストです。これも大切なことだと思いますが、受ける社員の方々は、やはり非常に防衛的になり「うそ」を書いてしまう人もいます。THQストレス診断は、病気の診断ではなく、「適応状態の診断である」こと、検出された「データは変数であり、能力査定の対象ではない」こと、「ストレスはコーピングによってコントロールできること」を理解していただく事をPRしています。そして、自分の上司や周囲の同僚と見せ合って使ってもらうこと。コーピングを一生懸命やって改善すること(ランキングを上げること)を推奨しています。従って初年度は、ここに重点を置き、組織診断には重点をおきません。2回目の変化、改善度合いを見ていきます。なぜならば、THQストレス診断にはP1の一番下にライフスコアがあって、社員の方がきちんと書いてくれているかどうかの指標がついています。ここが、「組織診断の基本」になります。なぜならば、真摯な調査でないデータをいくら診断してみても、会社の役に立つ参考指標は得られないからです。
尚、THQストレス診断の中に、このようなしっかりとした把握のための項目が入っていますので、あまり他社ではPRも簡単にして実施してもらっています。その方がありのままの実態がうまく把握できると思います。

7、他社実施例
実施企業数(企業敬称略)
8、成果をあげている
・ 多数

メンタルヘルス適応マップを作り、年次毎に労務管理していきます。毎月Webでチェックしているところもありますが、時系列的には1年に1回でいいと思います。ラインケアがきちんとできていればいいのです。
産業医も喜んで使用しています。○○は質問○で疾病の有無の判別は軽度に○○○○○○○いきます。○○「落ち込み」「疲労」との判別が難しいため、THQストレス診断では、疾病の有無の判別ではなくて、「良好度」をはかって、職場ストレス予測値をだしています。ストレスコーピングは○○○リスクが高いことを知らせるようにしています。本人??が気付く事ができるところまで判別しています。産業医の先生に広く指示いただいています。
とはいいながら、DSM-Ⅳの「うつ病診断」尺度も中に入っていますので、P3のストレス判定度では5万人の調査結果とうつ病群、○○群を入れて、最もリスクの高い人には赤い色で報告できるようになっています。
メンタル不調という○○変数を対象にしてもソリューションは生まれず、メンタル不調や生産性の低下を招いています。独立変数では影響因子を探索することにより、施策をする参考にしてもらっています。