2011年2月3日

―――コラム:「巨人の星」飛雄馬の父、星一徹はパワハラ上司か? ―――
2006年4月1日の「改正労働安全衛生法」(巻末参照)では、会社は、従来の長時間労働(残業、休出)等の社員に対して、これまでのからだの健康診断中心から、「心とからだの健康診断」をして、適切なケアをしなければならなくなりました。うつ病の増加等々、メンタルヘルスの問題が多くなってきたからです。
現在では、長時間労働だけでなく、業務以外の心理負担も問題になっています。2007年の「興和創薬」(旧日研化学)の事件では、上司の暴言などのパワハラによりうつ病になり自殺した部下(男性、当時35歳)の事件が労災に認定されました。
かつての人気漫画「巨人の星」では、主人公である星飛雄馬の父、星一徹は、息子を巨人の一流選手にした美談の父として登場します。しかし現代流にいえば、一徹は家庭では児童虐待、職場ではパワハラ上司となりかねません。
先の改正労働法や厚生労働省のメンタルヘルスケア指針では、単なる長時間労働の産業医への相談・面接の義務化といったことだけでなく、①メンタル不全者を出さない環境作りと、生きがいを持って仕事に取り組む環境を作る、②セルフケアとして自分できるストレスチェックとコーピングを社員に行ってもらう、③ラインケアとして、リーダーが部下をサポートする、ということが求められています。
もちろん産業医やカウンセラーの活躍も重要であることは変わりありません。しかし、メンタルヘルスの本質的問題は職場ですので、HRMやリーダーシップがますます重要になってきています。社員のメンタルヘルスに関する会社とリーダーの不作為は、今後は、ますます厳しく問題を問われてくることは間違いありません。

注)パワハラ(パワーハラスメント)は日本の造語で、「職権を用いて人格を攻撃し、働く環境を悪化させ、苦痛を与え、雇用に不安を与えること」です。パワハラの大まかな基準ですが、グレーゾーンに入るのは「業務上の叱責など」です。イエローゾーンは「人格攻撃、いじめ、言葉の暴力など」です。レッドゾーンは「法律違反、犯罪、人権侵害など」です。本人が気づいていない無意識的パワハラと意識的パワハラがあります。
―――コラム終了―――