2011年2月9日

事例:息子をストレッチしないで
ストレッチしなくても「うつ病」となり休職になってしまうケースもあります。新任の営業課長になったばかりの滝川さんは、部下の営業マンの一人に文系大学院卒の畔倉君(26歳)を持つことになりました。チームは6人です。
畔倉君はすでに新入社員研修当時から遅刻、欠勤の常習者でした。その都度いろいろな理由をつけては休んでしまいます。他の同期は、どんどん仕事を覚えて高い業務の目標にチャレンジしていますが、畔倉君はまだアサインが理解できず、その段階には達していませんでした。しばらくして畔倉君から診断書が出てきました。「うつ状態により1月休養加療を要す」ということです。療養期間は延長され3カ月なりました。
そして、いよいよ職場復帰を考えるという段階で両親が会社に来られました。二人とも大きな会社の管理職をされています。二人からの依頼内容は「息子をストレッチしないでほしい」というものでした。「息子のうつ病は、職場で高い目標を与えられストレッチされ、心理的負荷を与えられた結果である。職制側の配慮が足りないのでは」という主張でした。
しかし実態は、仕事を与えてもできない、理解できない状態が続いていたのです。滝川さんは、「自分たちは、会社のメンタルヘルス研修も受講している。あなたの会社のメンタルヘルスに問題があるのではないか」と怒鳴られました。滝川課長は畔倉君の勤務のデータや残業時間、目標管理制度も説明し、決して過度なストレッチをしていない旨説明しました。しかし二人は「私たちは息子を信じます」とのことでした。

解説
―――コラム:AQ(逆境指数)―――
同じ職場で仕事をしていても、メンタル不調になる人とならない人がいます。AQ(Adversity Quotient)という、「打たれ強さ」や辛さに耐えられる強さである「ストレス耐性」がビジネスの現場でも話題になっています。困難に立ち向かう強さ、大きな難しい課題を克服する意思といった要素が盛り込まれています。
特に変革を成し遂げる経営者や政治家、最先端の研究者、スポーツ選手などには、こうした困難を克服し、変革を成し遂げる力が求められます。
―――コラム終了