2011年2月16日

―――:年上の部下にどう声をかけるか―――
年功序列制度の廃止や企業のグローバル化に伴い、組織は一段と流動化しています。そのような環境では、年長者やかつての上司が直属の部下となるケースも稀なことではないでしょう。
その際、まず大切なことは、丁寧に話をするということです。これは、上司・部下という会社の関係を超えて、一人の人として敬意を込めて接するということです。日本をはじめアジアでは特に年長者を敬う文化が広く浸透しているので、職場環境にも欧米流とは違った配慮が必要ということは、欧米の研究者からもよく聞かれる意見です。
悪い例としては、それまで「さん」付けで名前を呼んでいた年長者を、部下になったとたんに「くん」付けで呼ぶということがあります。仕事関係を抜きに考えた場合、このようなことはとても日常では行わないでしょう。そのようなことは慎むべき態度です。
また、上司としては、仕事上の指示や意志伝達において、伝えるべき事はきちんと言わなければなりません。ともすると、言いやすい年下の部下には言っても、年長の部下には言わないということが起こりがちです。人間はどうしても苦手なことを無意識に避ける傾向があるからです。仕事上のことは、部下全員に同じことを同じ主旨でブレなく話さなければ、部下、とくに年長の部下はあなたを軽く見たり、怠けたりして、上司として認めない態度を取ることも容易に起こりうるので注意が必要です。自尊感情(*)を尊重することがメンタルヘルスにつながります。日本文化には、互いの自尊心を尊重するという義理人情の人間関係が根底にあるのです。

*)自尊感情とは、他人に対する優越感、劣等感などとは関係なく、自分自身を好ましいと思う感情のこと。自己肯定感とも言う。