カウンセリングでは、クライエントと何回か面接を繰り返していくと、カウンセラーに対してクライエントが好意的な情緒表現を持つことがあり、これを「陽性の感情転移」と呼んでいる。自分に対する好意や信頼が、自分のカウンセリングの効果であり成功と考え、知らず知らずのうちにクライエントに振り回され、何の問題解決にも発展させないのである。カウンセリングでは「陽性の感情転移や逆転移」の発生することを、客観的に考慮し、専門的人間関係をカウンセラーとクライエントの間に保ちながらカウンセリングを進めてゆくことが肝要です。