総合心理教育研究所

佐藤隆の特別講座

SPECIAL COURSE

心の健康と不健康

  1. 心の健康と不健康

1つの例として世界保健機構(WHO)によると「心の健康」とは精神的に良好(Well-Being)な状態と考えられている。

また、日本生産性本部メンタルヘルス研究所では、

  • 心身が十分に適応していること
  • 環境に積極的に適応していること
  • 自己の可能性を十分に発揮していること

としている。この①~③の基準に合致しない場合を「メンタルヘルス不全」とよんでいる。

「心の健康」を定義することは難しいが、私たちの身近な職場において「心の健康」とは何かを考えてみよう。

職場における「心の健康」にも、いろいろの考え方や定義があろうが、次の①~⑦がその1つの参考になろう。

  • 自分も、周囲から見ても、仕事ができると評価されていること
  • 自分の考え方や行動に周囲の人を巻き込まず、迷惑をかけていないこと
  • 周囲の人や物事に対し、適度の関心をもっていること
  • 建設的に仕事を進められること
  • お互いに人格を認めあえること
  • 他人の幸福を喜び、不幸を悲しむことができること
  • 人生を楽しむゆとりをも持っていること

以上①~⑦までが職場における「心の健康」のひとつの参考となろう。

①~⑦を使って私達自身の毎日の「心の健康」をチェックしてみよう。

次に「心の不健康」な状態にはどのようなものがあるかについて考えてみたい。

まず「心の不健康」は、大きく3つに大別できる。1つは精神疾患(精神分裂病、躁うつ病、器質性精神病、中毒性精神病等)でその原因は不明なものが多いが、一般の肉体的疾病と同様、器質にある程度基づくものとして考えられる。というのも、生理学的・医学的に罹患率がほぼ一定しているものが多く、ソーシャルファクターとの相関が考えにくいからである。

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