総合心理教育研究所

佐藤隆の特別講座

SPECIAL COURSE

ビジネススクール講師が伝える「ストレスチェック入門」シリーズ7

  1. ストレスチェックは症状チェックである。しかし測定している大部分は「心理的負担」の把握である。臨床心理学では重要な心理アセスメントに心理検査がある。ストレスチェックは心理テストなのだろうか??。臨床心理学の目的は、人間の心の科学的考察で、知能や心理特性や発達等を科学的客観的に測定することである。このことを心 理査定という。言菓を変えると、ある人のパーソナリティの心理特性について考察 し、その人の問題に対し適用する心理臨床(心理的治療)の理論や技法を決定するための測定を心理アセスメント(査定)という。例えば、医学では患者さんの疾病を調べるために血液、体温、脈拍、検尿、血圧、レントゲン、CTスキャン、MRI等の検査をし、さらには最新医療ではゲノム検査までするようになってきている。その結果の データから診断し、より有効な治療方法を決めて治療をする。臨床心理学でも、クライエントに面接をし、必要により心理検査を施行し、問題点を査定し、その結果から適切で有効な治療方法を決定する。また、心理検査は問題を特定し、適用す る心理療法を選定する ために使用される。心理療法の治癒の効果測定法としても、あるいは心理療法を継続するか終了するかを決定するためのアセスメントとしても使用される。ということから考えるとストレスチェックは心理査定からはがずれることになる。面接指導も心理療法ではなく、産業医の面接指導である。心理療法は面接指導ではない。

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