総合心理教育研究所

佐藤隆の特別講座

SPECIAL COURSE

ストレス・認知・自律神経

セリエによればストレスは日本でも外国でもメカニズムは同じだが、ストレス反応は個人が所属している文化や慣習により違ってくる。さまざまなストレッサーである恐怖、不確実、不快、不安などを個人がどのように認知するか、あるいはいかなる対処をとれるかによってそれは異なってくる。例えば、ある出来事がその個人にとって不安の要素となるのか、プラスの要素となるのかによって、ストレスの量は異なる。第二次大戦中、ロンドンで爆撃情報を聴いたら、胃潰瘍の率がロンドンの中心の人よりも、ロンドンの郊外の人の方が胃潰瘍の率がはるかに高かったという話を聞たことがある。我々は今、自分が保有している情報に新しい情報を加味して認知し、不安が増加する。アメリカの大脳生理学者が、我々は実際に自分で体験したり目で見たりしたものしか認知しない傾向があるという。しかし我々は実際にはすべてを見ることができないので、認知はきわめて主観的にならざるを得ないことになる。まずストレス反応のメカニズムで大事なことは、このような認知で図31のようにストレッサーが上位脳で認知され、対応することである。このストレッサーに対して我々は脳から情報を受けて自律神経や神経分泌中枢は神経系を通じて行動をコントロールする。まず自律神経系では、その刺激が大脳から視床下部、下垂体を経て、自律神経系に至る。自律神経には、交感神経、副交感神経の2種類がある。自律神経系は内臓の機能の呼吸、循環、消化、排泄等の生命維持に欠かせない機能をコントロールする。個人の意識や意思とは無関係に不随意的、自律的に働き続けていることから、自律神経系という 。

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