総合心理教育研究所

佐藤隆の特別講座

SPECIAL COURSE

ストレスを放置することによって生じるその他のリスク

ストレスを放置することによって生じるその他のリスク

「うつ病

気分がひどく落ち込み,仕事が手につかなくなる病気です。医学的には気分障害と言われ

ます。抑うつや不安,あるいは気分の高揚といった感情の変化に対する総称で,別名感情障害と言われます。だれでも嫌なことやショックなことがあると落ち込みますが,比較的早く回復します。しかし,病気になると基本症状として①憂うつな気分と②物事に対する関心や興味が持てないといった無気力状態が,ほとんど1日中,ほとんど毎日,2週間以上続くのが特徴です。③「不眠または過眠」,④「やる気がない」,⑤「イライラする」,⑥「疲れやすい」「⑦無価値観」⑧「思考力,集中力の低下」⑨「死んでしまいたい」といった7つのうち該当する項目が4つ以上ある場合や,基本症状が2つもあり,自覚症状が3つ以上の場合は,大うつ病が疑われます。この大うつとは病気が重いということではなく「メジャー(major)」で主要なという意味なのです。

適応障害

いろいろ変化する職場で,うまく適応できずに,「出社拒否」「対人トラブル」「けんか」「ひきこもり」「無謀運転」「法的責任の不履行」などがみられます。症状としては不安や恐怖,対人嫌悪,あせり,などの神経症・心身症・自律神経失調症などを呈することも少なくありません。適応障害では,個人の素質(適応力や神経質)や過度のストレス(昇進や転勤などの職場ストレスに)うまく適応できない,その自己嫌悪から2次的におちこみ「うつ状態」となることがあります。うつ病との違いは,治療をしながら環境要因の調整と本人の適応力の向上により改善します。適応障害は本人の職務適性を考慮し人事的な配置も検討に値すると考えられています。

パニック障害

パニック障害は,最近よく提出される診断書です,この病気は不安障害に分類されます。

逃げ場がない状況(電車の中,高速道路の車の中,窓のない部屋等)で予期せず,何の理由もなく激しい恐怖と不安に襲われ心臓がドキドキする,息が詰まる,胸が痛い,手足が震える,冷や汗がでる,しびれ等々の身体症状が突然起こり,死ぬのではないかという恐怖感と発作が繰り返し発生する病気です。また恐怖になったらと考えて不安が増加します。このため外出できないといったように社会生活に支障をきたします。パニックは職場では非常に軽い病気と思われてしまいます。非常に元気そうに見えて,バリバリ仕事をしてる人がパニック障害になりますと,上司も周囲も,どこが問題なのだろうかと信じられません。人付き合いも仕事も淡々とこなしている場合が多く,職場の人々は電車の中でパニックになったところを見ていませんから,なかなか本人の苦しみや恐怖について理解できない場合が多くみられます。しかし本人は出張を言いつけられると非常に不安になり,電車に乗らずに私費でタクシーの乗って行ったりと代替え手段で対応したりします。しかし内心では病気や適応の苦しみで悩んでいることが多いのです。この悩みが二次的にうつ状態を促進します。従って,軽く見るのではなく「うつ病」同様の安全配慮が不可欠です。心臓と呼吸器には問題がないのに,脳幹部にある青斑核が誤って危険警報を発し,実際に脈拍は増加し,血圧が上がり,過呼吸になるといった身体反応が明確に示されます。

うつ状態

憂うつな気分が続き,楽しさを感じない,意欲が低下し,動作も緩慢となる。身のまわり

のことすら面倒になる,身体のさまざまな不調を生じる。とくに消化器症状が多く,不眠

もあり,早期覚醒がみられ,思考力等々が低下する状態を「うつ状態」といいます。。

自律神経失調症

体調不良で,例えば 倦怠感,疲労,微熱, 動悸, 食欲不振・下痢・便秘・胃部不快感・腹部不快感などで内科を受診しても,とくに病気の診断がないとき,自律神経失調症と診断されます。

不安障害

不安障害:不安はわれわれが生きるために必要です。用心深く慎重であれば将来に対する不安が生じます。漠然とした恐怖を不安といいます。正常な不安と病的な不安があります。会社のプレゼンうまくいくかどうか不安だでも行ってみよう(正常)。こわくて出られない(異常);不安障害のグループには,以下があります。

  • 全般性不安障害

不安の対象がないのに,常に不安感にさいなまれる。過剰に心配し将来を懸念する状態が半年以上続いている。

  • 社会不安障害;

理由もなく人に会うのが怖く,会議が怖いなどの対人恐怖で人のどう見られるかという恐怖と不安がありプレゼン等は苦手にがてでだんだん出社しなくないり,ひと目を浴びる行動への不安から強い苦痛を感じたり,震え,吐き気が出て日常生活に支障をきたしたりする。③空間(広場)恐怖症

安全なところにすぐ戻れない場所にいる恐怖。乗物に乗れなかったり,エレベーターや会議室など閉じた場所に入れなかったりする。恐怖性不安は,しばしば抑うつと合併する。

④特定の恐怖

特定の動物,高所,雷,暗闇など,さほど危険でもなんでもない特定の対象や状況に恐怖を抱く。恐怖症:あるものが怖い。

⑤強迫性障害

ばかばかしいとわかっているのに,手洗いや施錠のチェックなどを何度も繰り返さないと気がすまなくなる。

心気症

軽微な身体の不調を深刻な病気の兆候であると恐れる。例えば,頭痛を脳腫瘍の兆候と考える。いかなる検査をしても,身体疾患は見出されないが,当人は検査結果に納得しないで,医療機関を転々とする。

アルコール依存

いったん呑みはじめたら,自分の意志ではとまらない。いわゆる”酒がきれる”と手の震え等の離脱症状(俗にいう”禁断症状”)が生じた状態(身体依存)をアルコール依存症と見なすことができる。離脱症状等の有無にかかわらず,飲酒のため欠勤など,仕事や社会的責任を全うできない,あるいは健康を害しても酒がやめられないといったことがあれば,アルコール依存症と見なす考えもある

心因反応 はっきりした原因(例,失恋)によって起こされた精神症状。上記の精神病の症状があらわれることもあるし,下記の神経症の症状があらわれることもある。治療はその症状により異なるが,原因が除かれると,改善することが多い。

睡眠障害とは,入眠障害,熟眠障害(浅眠と中途覚醒),早朝覚醒,および睡眠時間短縮に分けられる。

不眠症とは,睡眠の質・量ともに不十分な状態が長時間続いているものである。

過眠症とは,昼間の過剰な眠気と夜間の睡眠不足では説明できない睡眠発作,完全覚醒への時間が長びくことなどをいう。

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