総合心理教育研究所

佐藤隆の特別講座

SPECIAL COURSE

クルクルストロー青年

ファミリーレストランに出かけます。ゆっくりとコーヒーを飲みます。早い時間なので閑散としています。まだるっこい時間がながれます。とくに東日本大震災の後は、あまり人がいません。だが渡鉄也似のいかつい青年は、私が行くと、必ず来ています。ストローを左手でくるくる回しながら、お代わり自由の「オレンジジュース」を飲みます。そしてしゃべります。「おまえなああああああ、だから言ったろう、もっと早くしな」と。「部下の心をわからないとダメなんだ」。「うん、そうだそうだ」と。あきらかに職場の上司との会話なのです。そして分からず屋の上司を怒っている会話なのです。レストランのウエイトレスはこのお客は常連らしく、冷静さを保っています。臨床心理の専門分野からは「統合失調症の独語」の症状です。左手でくるくる回すのは常動行為と考えられます。朝のファミマのコーヒーとくるくる回るストロー、そしてかん高い声の独り言が流れます。こんな時間もあります。

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