ストレス学の父セリエ博士はビタミンCのストレス作用を研究した。かつてビタミンが万能薬のように重視された。ビタミンと健康の関係が唱道され、なんでもビタミンがつけばいいような時代があった。例えば
- ビタミン床屋
- ビタミンパーマ
- ビタミンバー
- ビタミンガソリンスタンド
- ビタミン映画館
などまでは、さすが見たことはないですけどね・・・・・?
現代はビタミンではなくて脳内神経伝達物質なのだ。メンタル不全で多いのが「うつ病」である。どんどん増えて2030年にはWHOではトップの疾病となると予想されている。その中でも「セロトニン不足」がうつ病の正体なのだ。
かつては「ビタミンを摂取すること」が重要だったが、現代は「セロトニン不足」がないようにすることが喫緊の課題なのだ。脳内物質のお菓子といえば「ギャバチョコ」がセブンイレブンから発売され話題をさらったことがある。
そのうちビジネス街の新橋の飲食街では以下のような会話が多くなるかも・・。
「課長、どうです、今夜セロトニン居酒屋でキューンと一杯」「ヒッヒッヒッ・いいね、いいね係長」「いや課長、今度仲見世通りに出来たセロトニンとノルアドレナリンスナックのエンドルフインカクテルなんて最高ですよ、行きましょう」などという会話が巻き起こるかもしれないのだ。
日本でもきっとそのうちに
- セロトニンカラオケ
- セロトニン赤ちょうちん
- セロトニン職場交流
- セロトニン忘年会
などが出現するにちがいない。
和風高級料亭セロトニンドールド25や時間制クラブB6なんていう店も出来たりして。「たぁ~さん!今日もお元気にギャバ料理の松になさいます、それとも梅になさいますか」「そうだな~ママ、あれにしてよ、酢の物とセロトニンの京風煮付け。あれ、良かったよ」「たぁ~さん、ドーパミンD2のから揚げなんていうのも付けておきましょうか」 なんていう会話は、あまり「粋」でないですね。
事実、ストレスでイライラや憂うつになっている現代人の健康を保つために脳内伝達物質の摂取量が大きく関係している事は内外の医学上の文献に示されているとおりであろう。
「健康増進運動」が強調されている今日、良いとわかっていても、なんとなくセロトニンとかになってしまうと情緒というか風情というか薄れてくるようになる。
反対に、医学的には100%有害である喫煙や過度の飲酒などは、わかっていてもやめられないのだ。こちらの方はなんとなく「男の人情」だとか、「唐獅子牡丹」とかいった男の匂いとか人生の味のようなものがしみついているのだ。タバコの煙や夜霧の波止場のイメージは、森進一や八代亜紀や五木ひろし的雰囲気にどっぷりつかって心を慰めてくれるのだ。
―セロトニンは演歌に似合わない―