日米における労働者の企業に対する忠誠心と小集団活動の比較が研究対象である。アメリカの一般企業で忠誠心(ロイヤリティ)のことを質問しても「当社では、あまり問題にしていない」「個人主義ですから…」といった答えしかかえってこない。
しかし、このエクセレント企業は、高度成長企業であるだけではなく、アメリカ企業の中でも異色の経営で知られている。その企業の経営理念をあげてみよう。
- 利潤(Profit)
- 興味の分野の開発(Field of in fever)
- 成長(Growth)
- 顧客(Customers)
- 管理(Management)
- 人材(People)
- 地域関係(Citizenship)
特に、その中でも「人材」の育成に一番力を入れていて、アメリカの企業ではきわめてまれなことに「レイオフ」がないのである。つまり、日本の終身雇用制度を取り入れているのであった。
就業管理も自己申告制度であり、従業員と企業のトラスト(信頼)であると、口からツバキを出して担当者は熱弁をふるっていた。不景気の時は、賃金を減らしても皆な我慢してくれたと胸をはった。
日本のお家芸の小集団活動なども熱心で、人種や肌の違った人々が工場の片隅で一生懸命ディスカッションしていた。もちろん、組合はなかった。
ロサンゼルスの本屋のビジネス書の所には日本の経営の紹介の本がたくさんあった。
もはや、企業への忠誠心や小集団活動は、日本の経営のお家芸とはいえなくなってきていることを痛感したしだいである。