なぜ、一流の人は、ハードワークでも心が折れないのか?
最近冒頭のような本や記事を目にする。心の筋肉の鍛え方というのもあった。メンタルヘルスでは「レジリエンス」ということで科学的に逆境や困難に打ち勝つ方法の研究もされてきている。
わが国では、なぜ「おちこむのか」といった、ネガティブ要因の研究はされてきたが、欧米と異なりポジティブ要因の研究はされてこなかった。
坂本竜馬、吉田松陰といった維新の志を持つ英雄の中にレジリエンスを見出そうとした。
本の表題のように「一流の人々は、確かにハードワークでも、打ち勝っていける人が多い」、なぜだろうか。
グロービス経営大学院で行った成果を上げている経営者はなぜストレスに強いのかという研究と併せ考えてみたい。
ハードワークを楽しんでいる。旧海軍の予科練は月月火それがほこりであった水木金金のハードワークだった。エリートにとってハードワークは自分を鍛える道場であり、夢の実現のプロセスと考えていた。成果を上げている経営者も、ストレスは「うれしい」ものと考えている。ストレスはネガティブなものとは認知していないのである。
ネガティブ感情に対するコーピングがしっかりできている。疲労感、うつ気分、自己の能力に対する否定感情、そしてこの悪循環。この連鎖が出ないように断ち切る方法を身に着けている。
ストレスが増加し始める時の兆しは3つのだ、期待外れでがっかりする、そしてイライラする。結果として仕事がうまくいかない、ここのところで、コーピングをするのがレジリエンスだ。脳の中ではストレスを増幅させる「扁桃体が興奮して、前頭葉がマヒして、理性渋滞が起こっている」のである。これを逆転させる。扁桃体の興奮を抑える方法が腹式呼吸であったり、ヨガだったり、マインドフルネスだ。自分に合った方法でよい。
理性の渋滞を緩和してよみがえらせる方法は、「ペンを持って自分の感情を書いてみること」である。書くという行動が理性だからである。また散歩もいい。気晴らしが効果的であるのはこのような理由だ。