うつ病患者数が70万人と増え続ける状況を改善するため、治療法の目安を示し、問題になっている誤診や安易な薬物療法を減らすことを目的としたうつ病の治療指針を、7月26日に日本うつ病学会が医師向けにまとめました。
国内では今までうつ病を含めた気分障害の薬物治療に限った指針しかなく、うつ病の診断から治療に役に立つ最新のデータを踏まえた指針が必要との声が出ていました。
指針の内容としては
○薬の処方に関して
・ 軽症の場合、安易に薬物療法を慎む
・ 中等症重傷では1種類の抗うつ薬を十分な量と期間で使う
・ 治療薬ごとの特徴に則って処方
○患者に聞くべき情報の整備(躁鬱病や不安障害、発達障害の誤診防止のため)
・ 受診時の症状や睡眠の状態だけでなく、病気になる前の性格傾向を確認
・ 職場や学校での状態を本人だけでなく、家族にも確認
・ 学歴、職歴、婚姻歴の確認
といったことが挙げられます。ただし、今回の指針には新型(現代型)うつ病については対象外となるようです。
(参考文献:朝日新聞2012年7月27日)