発達に関する主要な理論には、心に重点を置く学習の効果、環境重視説の考え方と、身体に重点を置く遺伝、生来的要因重視説の考え方がある。しかし、今日の発達心理学の考え方は、両方が相互に作用し合っている「相互作用説」が主流をなしている。具体的には、①遺伝重視説(進化論のダーウィン(Darwin, C. R.)らの考え方で特定の家系に優秀者が見られるなどとした)、②環境重視説(行動学者のワトソン(Watson, J. B.)らによる考え方でどんな人間にでも教育できるなどとした)、③輻輳説(シュテルン(Stern, W. )らによるもので環境と遺伝の輻輳によって形成される という考え方)、④環境閾値説(ジェンセン(Jensen, A. R. )らによる考え方で発達には一定の環境条件必要という考え方)、⑤相互作用説(現在主流の説、両者は相互に作用する)があり、理論的見解には成熟説、精神分析説 、行動理論説、有機体説(認知一発達)等々があり、サルキンド( Salkind, N. J. 1989 ) はこれらの発達理論について、その基本的仮説、哲学的根拠 、研究変数、研究方法等について検証している。