6月といえばジューンブライド(6月の花嫁)で、どこもかしこも結婚式なのです。
結婚式に限らず、お祝いの会、記念パーティー等々のあらたまったところでは、人はストレスのあまり緊張してコチコチになるものなのです。なぜ、ストレスになるかというと、あれは絶対にカッコ付けて人よりうまくスピーチしてやろうと思うからです。
その昔、姫路の親戚の結婚式があり出席しました。
当日に5組位の結婚式があったのですが、驚いたことに、ある組では、新郎自ら受付をしていました。よっぽど心配症の人だろうと思ったわけです。しかしながら、相当場数を踏んでいる人でも、スピーチが近づいてくると、ソワソワしながら「そろそろ自分の番だな・・・」などと考えると、急に関係のない事が思い出されたり、最も肝心の部分を失念してしまったりするものなのです。
「え~っ、今日は、お日柄も良く、心からお二人の前途をお悔やみ申し上げます」なんて言ったりする始末だ。何かにつけて、カッコよくしようとすると無理が出てしまう。
また、記念パーティー等でも「皆さま、今日は私の為にお集まり戴きまして本当にありがとうございました。今後、私は全力を振り絞り、皆様方の期待に背くように頑張る所存でございます」なんてドジったりするものでございます。
大部各種のパーティーや結婚式もあまり格式ばらなくなり、大分柔らかくなって参りました。
いつの時代からか固苦しいスピーチや祝辞等よりも、カラオケ等や出し物が喜ばれるようになり、披露宴の殆どがカラオケ祭り現象なんていうのもあったらしいのです。
大分前の話ですが、私の義兄が祝辞の変わりに「夜霧よ今夜もありがとう」(だいぶ古い)をカラオケで歌う事になった。この日の為に1カ月前から特訓をしてきたという話で、式の5分前にポケットからアサダ飴を出して喉の滑りをよくしていました。順番が近付いてきたら、ストレス緊張のあまり便意をもよおし、トイレに行って20分位でてこなかった。そのうち申込者が多く、遂に歌う機会を逃してしまった。本人は「ウンが悪かった」と言っていました。
また、司会者があまり慣れていなかったりすると、急に、歌を指名したりすると、指名された方は、咄嗟のあまり普段歌いなれている18番を歌おうと思い、つい「別れても好きな人」を入れてください…等と言ってしまったりするものなのです。
あがらないで人の心を魅きつけるスピーチ、祝辞のコツはようするに「カッコを付けない、無理をしない、誠実誠意」という三点に尽きるのではないでしょうか。