渋谷の某ホテルで「バイオフィードバック」に関する勉強会があり、参加させてもらったことがある。
バイオフィードバックとは、広儀の心理療法の一つである。
つまり、人間が望んでいる最高に快適な状態、あるいは健康に自信を持ち、生きる意欲が湧きあがってくる状態、
もしくはあらゆるストレスから解放され、自分の能力を最大限に発揮できる状態へ機器を使用する事によってコントロールしようとするものである。
アメリカで研究され、電子機器の向上によって安価なものが開発され、いつでも誰でも手軽に活用することが出来るようになってきた。
その主要な機器は脳波計によるバイオフィードバック・トレーナーである(他に筋電計や皮膚電気抵抗によるものがある)。
私たちの脳の動きは、内的意識として、夢中で何かに没頭しているとき、瞑想状態に入っているときなどにはアルファ波(8-14Hz)が出る。
この状態は驚異的な脳の力が発揮される一方、心身ともに素晴らしい調和のとれた状態となる。
一方、外的意識としては、心配ごと、複雑な計算、仕事等に立ち向かっている時には“ベータ波(14Hz以上)”が出る。
外界と対応して緊張している状態で、いわば臨戦態勢状態である。
他に眠りと意識の間を行きつ、戻りつしているような時は“シータ波”。
完全に眠ってしまうと“デルタ波”が出る。
従って、脳波計によるバイオフィードバック・トレーナーを使って、自分の脳波がアルファのレベルを保つように訓練すれば、我々の心と身体はバランスを取り戻すという訳である。
つまり、血圧や体温を知る血圧計や体温計があるようにバイオフィードバックによって、自分の脳波をモニターしようとするわけである。
瞑想法や自律訓練法や禅、あるいはもっと簡単な緊張コントロール法も同じ目的を狙ったものである。
結局、心身のリラックスした状態をアルファ波によって知ろうとするわけである。
能力開発研究所の発表によれば、若い人はむしろディスコミュージックのようなテンポノ早いリズムの音楽を聞かせることによってアルファ波レベルに達し、中年にはベータ波しかあらわれなかった。
逆にクラシック音楽を聞かせた場合、中高年はアルファ波を多く示し、若い人は少なく示した。
アメリカのスペード・ハルペンという心理学者が、誰にでもアルファ波の出る音を創った。
それを日本人に聞かせたら80%の人は拒絶を示した。
今度は、アメリカの偉い心理学者が作った音楽で誰でもアルファ波が出る・・・と前置きして聞かせたらほとんどの人にアルファ波がみられた。
権威による暗示も我々に大きく影響を与える。
本質的に海の波の音は誰にでも安心感を与え、瀧の音は恐怖感を与えることもわかった。
心身の快適さの環境といっても脳波からみると十人十色である事がわかる。
(バイオフィードバックは研究所にあり、利用しています)