天に星、地に愛の「ふくやま」へ。
「あっ、やめて、やめて、もう食べさせないで」型…のべちさんがいるかと思うと
「拙者ザルうどん定食好き」とズルルルルル・・・とすするもうないさん。
ひたむきに食べながら唾液をとばす闘魂のポンプ男の「ハーフタクシ」の運転手やびつさん。
すばらしい人に会い、そして感動したのです。
福山某所主催メンタルヘルス講演会講師として招かれたのです。
テーマは「高齢者とストレス」なのです。
敵を知り、己を知れば百戦、危からづ、で、良い講演は聞き手の心情、文化を知らねばならない。
福山では「ザルうどん定食」の場合、さらにおでん+稲荷ずし三個がついて530円なのだ。
なんとなく、大昔の「三本立て映画」を見て得したり、セブンイレブンのくじ引きにあたってコーラ1本もらったような「ニコニコしたような気分」になる。
東京ならば「寿司屋」と「うどん屋」と「おでん屋」の三軒をハシゴしなければならないところ、福山ではワンセットで食べられる。さすが福山。
「製鉄所行きバス」の車中なども、実に和やかで東京川崎地区では土中深く埋められた運転手とお客様の何気ない世間話もしっかり健在なのだ。
バス停に着くたびに「ありがとう」「はいはい」的な会話が微笑ましく続くのであった。
関東・関西文化の違いの例として講演会で次の話をした。
九州出身の新人Aが川崎の職場に就職した。
地元出身の先輩Bは、Aを歓迎の為に神田万世橋の高級肉料理店に連れて行った。
先輩はAに「おいしか?(おいしいか)」と聞いた。
Aは「うまかぁ~」と答えた。
Bは茫然として「牛だ!」と言った。・・・・ここでドッーと受ける筈が・・・渋顔連盟理事長のような面々の表情なのだ。
伊藤しろう似の立派な紳士が会場から手を挙げて「先生、そげな場合うちの方では“うしまーけた”いいますねん」と教えてくれた。
「うまかー」「うしまーけた」という話になれば会場全体に笑いが起きたのであろうか。ムムムムムッ。
製鉄所は整理整頓された事務所のいたずらっぽい瞳の真っ白な歯の女性の笑顔が印象的であった。
福山の人は限りなく勤勉で情があり、おおらかに見えた。どこの店で食べる名物も「うしまーけた」であった。