創造に不可欠な能力である「Serendipity(セレンディピティ)」とは”偶然のきっかけによって予期せぬ発見をする能力”の事である。ニューテクノロジー時代における最新語であり、まだこの英語の日本語訳は生まれていない。新刊の英英辞典をひも解いていただければ上記の意味がわかる。この新語が生まれる背景には超大型コンピューターを使った激しい技術研究開発戦争社会がある。物事を論理的に科学的に分析しつくしていく努力の中で、偉大な発見は、全く予期しない偶然の中から見出されることが数多くある。しかし、その時、このセレンディピティがなければ、そのまま見過ごしてしまう事になる。
この偶然のきっかけにおいて予期せぬ発見をする為には、まさしく日常の問題意識によって鍛え抜かれた感受性、つまり物の変化を鋭くキャッチできる能力が人より優れていなければならないのである。高技術社会におけるエンジニアやビジネスマンにとって、知識・経験をさらに超えるものとしてのセレンディピティは益々重要なものとなってこよう。
この能力を我々の身につける、または高める方法として“マインドフルネス的瞑想”がある。我々がストレスでイライラし、目先だけの事のみにこだわっていたのでは、とてもではないがセレンディピティなど身につく筈もない。その点、瞑想は練習を積むことによって、早く脳波検査でいうアルファ波を作り出す事ができる。優れた瞑想家のマハリシマヘン氏によれば、瞑想は、酸素の消費量を減少させ、身体が消費する最小のエネルギー量へと機能を変化させる事も出来ると語っている。
現代社会のビジネスマンは不安と緊張の中で、身体の弛緩と集中の自律性を失う場合が多い。頭は頑張っている割には「ボケ」きってしまっている場合も多い。一日、わずか”15分間”でいいから瞑想の時間を持つことがセレンディピティの為に必要であると考えるのである。最後に「偶然のきっかけによって予期せぬ発見をする能力」を磨くために可能光氏の「前兆学」を応用したい。かなり昔からいわれていた言葉でもあるが最近また使用されるようになってきたので掲載してみた。
セレンディピティを磨く8つの方法
1.我を捨てよ
2.先入観を捨てよ
3.常識習慣を妄信するな
4.習慣を大切にせよ
5.信念を妄信するな
6.好奇心を高めよ
7.部分に惑わされるな
8.「あれ?」の感覚を大切にせよ