セリエ博士のストレス学説
本書で紹介するセルフケアの理論は、カナダストレス研究所の長年の研究の成果を基本に考えられています。カナダストレス研究所は、ストレス学説の生みの親であり、「ストレス学の父」といわれるハンス・セリエ(HANSE SELYE)博士が中心となって設立したものです。現在の所長は、セリエ博士の後継者であるリチャード・アール博士が務めています。ストレス学の世界では極めて権威の高い研究所です。
一般に、ストレスというと、ストレスによるうつ病など、マイナスの面だけが強調されているようです。しかし、ストレスは避けることのできないものであるとともに、生きていくために欠かせないものでもあります。例えば、会社に行くというストレスがあるから、嫌だなと思っても、交感神経を賦活(活性化)させて、元気を出して会社に行って働きます。そしてお昼休みには副交感神経を働かせてくつろぐのです。
セリエ博士(は、「ストレスは人生のスパイス」と言いました。だからこそ、ラザルスの言うように「積極的に対応」することが最も望ましいのです。