- ストレスと適応
次に、この問題となっているストレスの本質を考えてみたい。
まず図5-1はストレスの発生と適応のメカニズムを、従業員の生活をストレッサー(刺激)―ストレス―適応の過程として図式化したものである。図の通り、従業員は日々ストレッサーを受けながら、一方でストレッサーを除去したり、ストレッサーに対する自己の抵抗力を高める等、環境に適応しながら生活している。
一般に「適応」とは、環境にあわせて自分を変えてゆくという「受身的適応」と、積極的に人間にあわせて環境を変える「積極的適応」という2つの意味がある。
ストレッサーに対する感じ方は個人によって異なり、適応力にも大きな個人差があるが、人間は極めて強いストレス状態に長時間おかれると、人間の身体に備わっている適応能力が時間の経過とともに変化してゆき、さらにストレスが蓄積されると適応困難になったり、あるいは心身症、うつ病、神経症といった症状を起こすと考えられている。