人生のライフサイクル研究もメンタルヘルスでは非常に大事である。日本も大変な高齢社会である。もちろん健康生活、経済生活に加えて心理学的研究も進んでいる。老人の性格の特徴は自己中心性、内向性、保守性、猜疑性、嫉妬性等であると考察されているが、これは適応過程で生じる老人の反応と考えられている。そしてこのようなかたくなな態度がさらに対人関係も含めた、適応力を低下させると推察されている。老年期の対応について、ライチャードは老人の性格を、①円熟型、②安楽椅子型、③装甲型、④憤慨型、⑤自責型に分類し、円熟型の老人が良い適応することを述べている。老年期のその他の研究については、生活の質(QOL:quality of life)を高めることと、ウエルビーイング(WHO)に生きること。そしてエイジングパラドックス(老齢になっても幸福感が向上する)やサクセスエイジングも研究されている。その他行動遺伝学、進化発達心理学、エピジェネティクスなどが研究されている。