ホスピタリズム
ホスピタリズムは病院や施設で育った子どもの心身の発達遅滞や、神経症状および人格のひずみなどの症状をいう。指しゃぶり、爪かみ、夜尿、自慰行為、夜泣きなどの神経症的傾向と、対人関係でうまく関係が作れず逃避的傾向、施設外での不適応等がある。低年齢ほどこの傾向が認められ、特に生後6ヵ月以降の自我萌芽期に母親の存在が必要とされる。食事、排泄、運動等の母性的愛撫行為をマザーリング(保育士の世話も含む)というが、これの不足が原因と考えられている。また、発達初期の母子関係の欠如をマターナル・デプリベーションという。このような問題を防止するためには、保育者の数を多くし、特定の担当を決め、情緒的養育条件を多くすることなどが重要といわれている。