心身症
心身症とは、心理社会的ストレスが密接に関連して引き起こされる身体疾患である。「身体症状を主とするが、その診断や治療に心理的因子についての配慮が、特に重要な意味を持つ病態」(日本心身医学会)をいう。心理的・社会的なストレスが関わり発生する身体的疾患(実際に器質的、機能的障害がある臓器の病気がある)である。ストレスが加わっている過敏性腸症候群(機能的障害)が代表的である。神経症やうつ病などの神経疾患にともなう身体症状は除外する(1991年)。ストレスと身体反応のプロセスは、1936年に生理学者のセリエが「汎適応症候群」の中で警告期、抵抗期、疲憊期(ひはいき)のプロセスを経て発症することを示した。つまりストレスは、大脳皮質→大脳辺緑系→視床下部→自律神経系·内分泌系→いろいろな身体への影響を与え、身体的バランスを崩し、拒食症、過食症、過敏性腸症候群等を引き起こす。人間関係、過労、睡眠不足、環境の変化などのストレスで起こる身体のトラブルである。過敏性腸症候群、胃潰瘍(消化性潰瘍、十二指腸潰瘍等)、偏頭痛、円形脱毛、まめい、じん麻疹、喘息、神経性嘔吐、神経性下痢、チック(身体の一部を無意味に動かすこと)、書痙(しょけい)( writer’s cramp 人前で字を書くと手が震える)などである。